こんにちは~。得得サイトのしずかです♪
みなさん、「虫歯になったら治せばいい。」と考えていませんか?
怖いことに、虫歯は治療したら終わりではありません。
歯を失った人の32.4%は虫歯が原因です。
歯を失うファーストステップとも言えます。
年を取ってから後悔しないために
虫歯とその対処法について確認してみましょう!
虫歯の「虫」
「虫歯」は、どうして「虫の歯」というのでしょうか?
虫が食ったようになるから?
なんと、18世紀後半くらいまでは、
虫歯は本当に虫の仕業だと信じられていたそうです!
虫歯は口の中にいる虫が歯質を食べたからとされ、
医書「醫心房(いしんぼう)・第5巻」にはその虫について
具体的に「虫長六を、七分、皆、黒頭」と記されています。
この歯虫は中国・隋の「諸病源候論」から日本に伝わったものですが、
おそらく、虫歯の中に見えた歯の神経を歯虫と見間違えたのだろうということです。
虫歯の名の由来は諸説ありますが、
「虫がむしばむ」とされていたからとも言われています。
また、織田信長の(戦国)時代には、
虫歯だけではなく、病気は身体の中にいるさまざまな「虫」が引き起こすと考えられていました。
余談ですが、このさまざまな「虫」を針で退治する方法を記した当時の医学書「針聞書」に登場する想像上の「虫」がキモかわいいので、少しお楽しみください(*^^*)
この「針聞書」は九州国立博物館に所蔵・展示されていて、グッズ展開されているようです。
ちょっと脇道にそれてしまいましたが、
さまざまな病気の原因は「虫」の仕業で、
泣き虫、腹の虫、疳(かん)の虫など、人の感情や
行動を司るのも「虫」とされ、
水虫、寄生虫など何となく気持ち悪いものを「虫」としたり、
虫に例えたりもしたようです。
昔は、排泄物の中に回虫がよく見られたそうで、当時の人にとって
体内に虫がいるということはリアルで容易に想像できたのでしょうね。
虫歯はどうしてなる?
「虫歯」とは、口の中の細菌が糖分を利用して「酸」を作り出し、
歯をとかしてしまう病気です。
皆さんは「歯垢(しこう)」と「歯石」の違いをご存知でしょうか?
歯垢(別名:プラーク)は食べカスではなく、
歯に付着した細菌の塊なんです!
歯垢1mgの中に、数百種類、約10億個の細菌が存在し、
ムシ歯菌や歯周病の原因となる菌がひしめいているのです。
歯垢は歯磨きで落とせますが、
隙間などの落としきれなかった歯垢は
唾液中のミネラルなどと結合して固まっていきます。
これが「歯石」です。
歯石は歯磨きで落とせないだけでなく
表面がザラザラしているので細菌が付着しやすい状態に!
そして、口の中に糖分が補われると、
この歯垢(細菌)が酸を生み出し、
歯を溶かして虫歯をつくるのです。
虫歯になってしまったら
虫歯は、早期発見・早期治療がとても大事です。
定期的に歯科検診を受け、
もし虫歯になってしまったら、
すぐ治療したほうがいいです。
一度虫歯が出来てしまい歯に穴が空いてしまうと、
自然に治ることはありません。
放っておくとどんどん進行して、
周囲の歯にも悪い影響を与え、
最後には、歯全体を失うことにもなりかねません。|д゚)
- 虫歯の段階と治療
- 虫歯の段階は、C0~C4までの5段階あります。
「CO」=削って詰め物をしなくても治る段階
虫歯になり始めの危険な状態で「要観察歯」 です。
予防の観点から平成7年に新しく追加された段階です。歯石など、虫歯の原因除去療法を行います。
「C1」=エナメル質の虫歯
しみたり痛みなどの自覚症状はありません。
エナメル質が溶け、黒ずみ始めています。この段階で治療しておけば痛みもなく、
治療も早く終わり、歯へのダメージも少なくて済みます。「C2」=象牙質の虫歯
冷たいものや甘いものが歯にしみ始めます。
治療は、虫歯の部分を削り詰め物(インレー)をするだけで簡単に終わります。
「C3」=歯髄まで進んだ虫歯
何もしなくとも激しい痛みに襲われます。
治療法としては、歯の神経が侵されているので、
歯髄(しずい)*をとって被せもの(クラウン)をします。
歯の欠損した部分が非常に大きくて直接クラウンが被せられない場合には、 人工の土台を作ってその上にクラウンを被せることになります。*歯髄とは、いわゆる「歯の神経」のこと。歯の内部(歯髄腔)に存在する疎線維性結合組織のこと。
「C4」=歯根まですすんだ虫歯
この段階では神経が死んでしまっています。
痛みはなくなりますが、歯の根の先がばい菌により化膿すると再び痛みが襲って来ます。治療法としては、ほとんどの場合が抜歯です。
歯を抜いた際には、入れ歯やインプラントなどで失った歯の機能を回復させる必要があります。
このように虫歯は初期の段階で治療すれば簡単ですぐに治療がすみます。
治療が遅れると、治療自体も大変で長引くことになりますので、
ぜひ早期治療を心がけてください。
虫歯の予防
1.プラークコントロール
虫歯予防にはプラークコントロールが絶対条件です。
プラークコントロール、要するに歯磨きのことです。
まずは歯垢(プラーク)を残さないように正しく歯磨きをすることが大事です。
よく磨いたつもりでも、
歯と歯の間など歯ブラシが届かない場所などは磨き残しがあり、
プラークが残っています。
歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って、
とにかく磨き残しなく隅々まで磨き、
薬用マウスウォッシュなども併用して
お口の中全体を殺菌し
プラークを除去しましょう。
テレビでも見ながらじっくり時間をかけて磨くというのもひとつの方法ですね。
※磨くときに力を入れすぎると、歯だけでなく歯茎にも良くないのでご注意ください。
歯磨きするタイミングも大切です。
毎食後、すぐに行いましょう。
通常、口の中はほぼ中性(pH6.5~pH7)に保たれているのですが、
食べ物や糖分のある飲み物を取ると、
食後3分ほどでプラークが酸を作り出し、口の中が酸性に傾いて
虫歯のできやすい環境になってしまいます。
その後、唾液の作用によって40分ほどで元のレベル(pH)に戻りますが、
食べた後すぐに歯磨きをすれば、容易にpHを中性に戻すことができ、
虫歯のリスクを減らすことができるのです。
でも、「食後30分は歯磨きを避けるんじゃないの?」
と思われた方もいると思います。
これは虫歯予防の情報ではなく、
「酸蝕症(さんしょくしょう)」の情報なんです。
正しくは
「酸性度が高い食品を摂取した後30分は歯磨きをさける」です。
これが誤って「食後30分は歯磨きをさける」となってしまったのです。
虫歯予防には食後すぐ歯磨きすることが有効です。
(「酸蝕症」については、後ほど。)
2.食べ方
虫歯の要因には食生活も大きく関わってきます。
・おやつなど、糖分のあるものをだらだらと食べ続けない
※糖分は、ケーキやお菓子、果物などの甘い物に多く含まれますが米やパンなど主食にも含まれています。
長い時間飲食していると、虫歯菌が
酸を作るのを促進することになり、
常に口の中が酸性の状態になって
それだけ虫歯のリスクが高まります。
飴をずっとなめる、
甘いガムを噛み続ける、
ジュースやスポーツドリンクをちょこちょこと飲むなども要注意です。
また甘いおやつは食事とセットでとることも有効です。
・食べ終わった後は、水やお茶でうがいする
歯磨きはもちろんですが、
その前に水やお茶でうがいして、
口の中に酸を作らないようにすることも効果的です。
よく、お婆ちゃん・お爺ちゃんが食後にやる「お口クチュクチュ」。
見た目あまり良くないですが、
虫歯予防的にはバッチリですね。
・よく噛んで食べる
良く噛んで食べることも必要です。
唾液には、食物を洗い流す働きの他、
細菌の増加を抑える働き、
細菌が生み出す酸を中和させる働きがあります。
良く噛むことで唾液の分泌量が増え、
さらに、
唾液に含まれる歯の再石灰化現象で、
初期の虫歯なら修復されることも!
よく噛めば内臓にも負担がかからないし、ダイエット効果も期待できますね。
・その他
小さいお子様には、フッ素塗布治療も効果的です。
歯質が弱く虫歯になりやすい方には、フッ化物配合の歯磨き剤が適しています。(フッ化物は虫歯予防だけでなく、歯質そのものを強くする効果もあります。)
酸蝕症
「酸蝕症」とは、
胃液や飲食物などに含まれる
酸によって歯のエナメル質が
溶けてしまう症状のこと。
酸性のものを食べた後は歯のエナメル質が軟化していて、
すぐ歯を磨いてしまうと、
エナメル質を傷つけ酸蝕症を進めてしまいます。
そのため、
「酸性度が高い食品を摂取した後30分は歯磨きをさける」
とされています。
酸性の食べ物にはどんなものがあるかというと・・・
酸性かアルカリ性かはpH値によって示されます。
中性はpH7.0で、
pH値が小さいほど酸性が強く、
大きいほどアルカリ性が強くなります。
歯の表面を覆っているエナメル質は、pH5.5以下の酸性のものに弱く、
酸性の飲食物ばかりを摂取していると、エナメル質が溶けて、
酸蝕症が進んでしまいます。
コーラ、ワイン、ビールなどが好きで
いつも飲んでる人は要注意です!
酸性度の高い食品を摂取した場合は
ひとまず、水やお茶で口をすすいで、
口の中を中和させましょう。
虫歯の治療には寿命がある
治療した歯は、いくらきっちり詰め物をしても治るわけではありません。
プラスチックを詰めた歯や銀歯は平均で5年と2~4ヵ月、
被せものをした歯は平均7年1ヵ月が現在の治療の寿命です。
同じところに虫歯ができると
厄介なことに被せものなどで発見されづらく、
治療をすると、削ったりして自分の歯が小さくなり、
治療を繰り返すことで、
最終的に歯を失ってしまうことになってしまうのです。
まとめ
体が不自由になって口から食べ物を取れなくなると、体全体がみるみる衰弱します。
口を使わなくなると、笑う力や話す意欲さえなくなってきます。
健康的な生活には、
きちんと口で食事することが大切で、
老人介護でも今、重要視されています。
また、食事のおいしさと歯の本数について調査した結果、
「食事がとてもおいしい」と感じている人は、
自分の歯が平均20本残っていたのに対し、
「おいしくない」と感じている人は、平均11本しか歯が残っていませんでした。
(参照:「食の満足度および歯科保健行動と現在歯数との関連性について」8020推進財団 指定研究事業報告)
「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」、
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という
「8020(はちまるにいまる)運動」があります。
(厚生省(当時)と日本歯科医師会、1989年(平成元年)より)
厚生省「成人歯科保健対策検討会中間報告」1989年(平成元年)―抜粋―
「残存歯数が約20本あれば食品の咀嚼が容易であるとされており、例えば日本人の平均寿命である80歳で20本の歯を残すという、いわゆる8020運動を目標の1つとして設定するのが適切ではないかと考えられる。」
年をとっても健康で、
自分の歯で食生活を楽しむために
『虫歯になったら治す』ではなく、
虫歯を作らないように心がけましょう。
いつまでも、美味しいものは美味しくいただきたいですもんね。