パワースッポットの旅 伊勢編
「天の岩戸」
こんにちは!
得得サイトです。
今回は「天の岩戸」です。
天の岩戸
「天の岩戸(あまのいわど)」といえば、 日本神話に登場する岩の洞窟で、
弟の須佐之男命の悪行に怒った天照大神が隠れてしまったとされる場所。
「天の岩屋」、「天の岩屋戸」ともいわれ、全国に数ヵ所存在します。
例えば
奈良県橿原市(天の香久山の南麓)天岩戸神社
京都府 皇大神宮(元伊勢内宮)、岩戸神社
三重県伊勢市(伊勢神宮敷地内)高倉山古墳
三重県伊勢市 二見興玉神社 天の岩屋
宮崎県高千穂町 天の岩戸神社 仰慕窟など
(「二見興玉神社 天の岩屋」についてはこちらをどうぞ)
どこも、もっともらしい場所ですね〜。
この他にも岐阜、徳島、沖縄などなど、まだあります。
一体どこが本当なの?と思ってしまいますが、
そもそも天の岩戸は神話からすると天上の高天原に存在するはずで、地上にその答えを求めるとなると、奥深い、難しいお話になってしまいそうなので、難しいお話はまたにして、
今回は伊勢志摩にある「天の岩戸」に行ってみたいと思います。
場所と地理
今回目指す天の岩戸は、伊勢志摩国立公園内の逢坂山中腹にあります。
伊勢神宮から志摩市へむかう山超えの道(県道32号線の伊勢道路)からちょっとそれたところで、内宮から12~13キロほどです。
航空写真で見るとまさに山の中です。
一帯が石灰岩の岩山で、伊勢神宮林等の樹木に覆われた空間になっています。
- ちなみに、伊勢市側の山域は古くから神路山(かみじやま)と呼ばれており、伊勢神宮の初めての遷宮(690年)が行われた際には、・・・続きを読む
- 用材としてヒノキが伐り出され、天武天皇により式年遷宮の制度が確立されるとともに「御杣山(みそまやま)」に定められました。ヒノキの枯渇により、現在は木曽(長野県)と裏木曽(岐阜県)が御杣山になっています。将来の遷宮には神宮の森林から伐り出そうと、直径100cmのヒノキを造るための200年計画が大正12年(1923年)に決定され、再び神路山などを御杣山とするべくヒノキの育成が進められています。植林されたのが2年後の1925年なので、本格的に使用されるのは2125年頃からとのことですが、平成25年の遷宮(第62回)には既に全用材の23%が賄われたそうです。
周辺の地質はカルスト地形といって、ウィキペディアによると”石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水、地表水、土壌水、地下水などによって浸食(主として溶食)されてできた地形(鍾乳洞などの地下地形を含む)である。科学的には空気中の二酸化炭素を消費する自然現象である。” でした。
雨が降らなくても、湧き出る清水で常に石灰岩質を浸食しているそうです。
天の岩戸へ
伊勢道路の入口から車で約5分ほど走り、
天の岩戸の駐車場に車をおいて山の中を歩いていくと
鳥居がでてきました。両脇に燈篭がたっています。
人とすれ違うことなく歩いてきた参道は、
森の中なのにきれいに整備された道がつづき、
まるで導かれているような、そんな不思議な気がしました。
現在の参道は世界的に有名な、あの真珠のミキモトの創業者、御木本幸吉氏が
一人でも多くの方に訪れていただけるようにと、大正時代に改修したそうです。
ひんやりとした木々の中を、横に流れる水のせせらぎを聞きながら進んで行くと
ザーッという水の音が聞こえてきます。
実際に、滝修行をする方もいるようです。
階段上には更衣室もありました。
岩戸神社には龍神様と水の神さまが祀られていました。
後から分かったのですが、
脇に立っている石碑には
「罔象女大神 水神」
と彫られているそうです。
丸い方の石碑ですかね?
この罔象女大神は
「罔象女神(みつはのめのかみ)」で、
「弥都波能売神」「水波能売命」とも書かれます。
石碑に彫られているとおり、代表的な水の神さまであり、豊穣をもたらす農耕の神さまでもあります。
ここは古くから雨乞いの神事も行われていたとのことで、神聖な水源の場として信仰の対象であったことがわかります。
毎月清掃・整備してくださっている地元の老人クラブの中には
子供のころは探検の場で穴の中へ入ったという方がいらっしゃいました。
入口から十数メートルのところに高さ3メートルほどの滝があり、
水の神「泣沢女神(なきさわめのかみ)」と「美都波女神(みずはのめがみ)」が祀られているそうです。(参考:百五銀行「すばらしき みえ」)
現在は立ち入り禁止になっていますので、入らないでくださいね。
- 『伊勢参宮名所図解』(寛政9年=1797年)によると・・・続きを読む
-
(略)・・・是より谷へ二町斗下りて岩窟あり。其穴に入事凡十間(約18m)ばかりにして瀧有、瀧祭窟と標石を立り。
18mばかり先に滝があると書いてあります。そして標石は確かに天の岩戸の横に立っていました。
見づらいのですが、次の写真の柱に重なって写っている石碑です。
恵利原の水穴
滝窟の前に手をかざしてみると、中からヒンヤリした冷気が ふき出しています。
竹の筒からはきれいな水が脈々とあふれ出てきます。
この湧水は日本名水百選に指定されていて
日量31,000トンもあり、流れ出た水は志摩住民の生活飲料水になっています。
近くには柄杓が置いてあるのですが、注意書きで「生水で飲むことは控えて下さい」
とありましたので、持ち帰って煮沸するとか、腸に自信がない方は特に気を付けてくださいね。
と言いながら、自分は看板が目に入らず帰るときに知ったので思いっきり飲んでしまいました💦
- ちなみに、・・・続きを読む
- 環境省のホームページには、年2回水質調査が行われるが、たまに〇〇菌が検出されることもある、とありましたΣ(゚Д゚)。
磯部町恵利原区にあるので「恵利原の水穴」とも呼ばれています。
洞窟から湧き出る清水は、階段下の禊の瀧となり、伊勢神宮の背後の山(神路山)に流れ込み五十鈴川となって内宮のほとりを流れ、二見興玉神社のある二見浦へと続いていきます。
今まで伊勢神宮を流れるから神聖な川だと思っていたのですが、水源から既に神聖だったんですね。素晴らしいレイライン、にはなっていないけど神聖な場所が繋がっていて、ちょっと感動しました。ちなみに、南に流れていくと御料田(神さまにお供えするお米を作る田んぼ)がある伊雑宮(いざわのみや=伊勢神宮の別宮)のあたりへとつづきます。神聖かつ名水百選にはいる聖水で森の恵みをたくさんもらって流れてきた清水で神職が作るお米はおいしそうですね。
この滝水は北に分水すると五十鈴川、南に流れると神路川となります。これは伊勢・志摩の竜神のご神体といってよい滝で、この竜神が内宮においては、滝祭宮および荒祭宮の神であり、伊雑宮においては、戦前には「天照大神荒御魂」と認識されていた神です。
神宮皇學館館友会『神宮要項』(昭和3年)
風穴
風穴を見に天の岩戸からさらに山のなかへ。
道は結構なアップダウンで、軽い登山気分です。
15分となっていましたが遠く感じ始めたとき、前から人が!
ここで初めて人に会ってなんとなく嬉しくなって声をかけると、「もう少しだから頑張って」と励まされ、気分も軽やかに歩きだし(単純なので簡単です(^^♪)まもなく風穴に到着。
洞窟の中から冷たい神秘的な風が吹いてきます!
どこから吹いてくるのか、出口があるのかなどは不明だそうです。
不思議な感覚で、風穴を後にしました。
伊勢神宮の御杣山(みそまやま)などの木々に囲まれた奥深い森の中は、
まるで神話の世界へ繋がっているような、そんな雰囲気もあり、静寂、清らかな水のせせらぎ、祀られている霊験あらたかな神さま。
とても清々しく気持ちのいい空間で
有名なパワースポットといわれるワケを実感できました。
天の岩戸情報
住所 三重県志摩市磯部町恵利原
駐車場 約20台
問い合わせ先:志摩市観光協会
電話:0599-46-0570
アクセス:
車の場合 県道32号線(伊勢道路)から一の鳥居のところで入る。内宮方面から来る場合は約20分志摩へ向かい右折(一の鳥居)
電車の場合 近鉄志摩磯部駅から伊勢方面バス「天岩戸口」下車。約10分