納豆の栄養と効果がすごい。

7月10日は「納豆の日」。

そこで、納豆のすごさをおさらいしてみましょう。

納豆は大きく分けると、
甘納豆、塩辛納豆、糸引き納豆
の3種類があります。
納豆btn甘納豆は
砂糖で煮詰めたお馴染みのお菓子、
納豆btn塩辛納豆は
乾燥させた糸を引かない塩辛い納豆、
納豆btn糸引き納豆は
ネバネバとした糸を引く納豆で、
いわゆる納豆と呼ばれ、
日本人のご飯のお供として親しまれています。
塩辛納豆(浜納豆)
塩辛納豆

 

納豆の起源ははっきりしていませんが、古くは弥生時代から
食べられていたという説もあり、
昔から「体にいい」と言われて食べられてきました。

ここ最近では「新型コロナウイルスに効く」として注目を集め、
スーパーの棚から消えたりもしましたね。

納豆好きでコロナ以前から食べていた自分としては
納豆が食べられない日々が続き、
「みんな納豆食べ過ぎっっ」と
訳のわからない怒りのようなものも
感じたりしましたw(⌒・⌒)ゞ

そこで納豆(糸引き納豆)について調べてみました。

納豆の成分と効能

大豆
納豆は煮大豆を納豆菌で発酵させた食品です。

大豆は「畑の肉」と言われるほど栄養素がたくさん含まれており
納豆にはその栄養成分と、さらに納豆菌の働きによって作り出された
さまざまな酵素などの納豆独自の栄養成分があります。

納豆菌

まず、納豆菌がすごい!
発酵食品の菌は熱や胃酸に弱いものが多いのですが、
納豆菌は100℃の熱湯でも生き残るほど熱に強く、
胃酸にも強いため、生きたまま腸まで届きます。

納豆菌がなぜ強いかというと、
芽胞(がほう)と呼ばれるシェルターのようなもので身を
守ることができるからだそうです。
納豆菌は身の危険を感じると芽胞を作り、
その中に自分の遺伝子をコピーして休眠状態に入ります。
芽胞は通常の細菌が死滅する状況にも耐えることができ、
生き残った納豆菌はまた発芽して通常の増殖を始めるそうです。
納豆菌と芽胞
以下、ウィキペディアより抜粋

芽胞を作る能力を持った細菌が、栄養や温度などの環境が悪い状態に置かれたり、その細菌に対して毒性を示す化合物と接触したりすると、細菌細胞内部に芽胞が形成される。このとき、細菌の遺伝子が複製されてその片方は芽胞の中に分配される。芽胞は極めて高い耐久性を持っており、さらに環境が悪化して通常の細菌が死滅する状況に陥っても生き残ることが可能である。—– 略 —–生き残った芽胞が、再びその細菌の増殖に適した環境に置かれる、または、ヒート・ショックのような熱等のストレス条件下にさらされると、芽胞は発芽して、通常の増殖・代謝能を有する菌体が作られる。

 

納豆菌は腸内に入ると悪玉菌を抑え、
腸内の善玉菌を増やしてくれます。

また、乳酸菌ビフィズス菌
同時に摂取することで、これらの菌を
増やす働きを持っていて、
相乗効果で非常に高い整腸作用を発揮してくれるのです。
腸内での納豆菌の働き

腸内細菌には食物の消化のほかに
病原菌などを撃退する免疫機能があり
腸内フローラの環境を整えることは
健康の原点です。

さて、それでは納豆になるとどうなるのでしょうか。

納豆のネバネバ

納豆菌は、煮大豆を発酵させる過程で、さまざまな酵素を生み出します。

そのひとつが、『ナットウキナーゼ』です。

ナットウキナーゼはタンパク質を分解する酵素で、
納豆のネバネバの中に含まれています。

ネバネバの正体は、分解されたタンパク質からできたもので
アミノ酸とグルタミン酸が鎖のようにつながったポリグルタミン酸と
ムチンと呼ばれる糖とタンパク質が結合したものです。
グルタミン酸は昆布などにも含まれている旨味成分のひとつですね。
かき混ぜると鎖がちぎれて、旨味成分であるグルタミン酸が一部遊離し、
旨味を増すと言われています。

ポリグルタミン酸
このネバネバはミネラルと結合しやすく、
さらに蓄えたミネラルを少しずつ放出するため、
骨の土台となるカルシウムの吸収を高める効果があるそうです。

ちなみに、このネバネバ成分を水に溶かして放射線をあて、
凍結乾燥させると「納豆樹脂」という白い粉ができます。

納豆樹脂は1グラムで5リットルもの水を吸水することができ、
その特性を利用して砂漠の緑化など
土壌改良や水質浄化に使われたり、
土に環えるプラスチック容器や
紙オムツなどの開発研究が行われ
実用化がすすめられるなど、
環境問題の解決にも期待されているそうです。

納豆樹脂の力

納豆は地球にも優しいんですね。

ナットウキナーゼが血栓を溶かす

ナットウキナーゼの注目の効能は、
なんといっても血栓を溶かすことです!

血栓の主成分に直接働きかけたり
血栓溶解酵素を作り出し活性化したり
溶解に邪魔な物質を分解したりと、
さまざまな角度から血栓を溶解して動脈硬化を防ぎ
心筋梗塞・脳梗塞・ボケの予防などに効果的に作用してくれます。

その作用は持続性があり、
4時間後に最大の力を発揮し、
その後6~8時間は効果が持続するそうです。
注射で投与される血栓溶解剤の効果が20分ほどというので、
それに比べると圧倒的にナットウキナーゼの勝ちです。
自然の力(酵素)ってすごいですね。

血栓は深夜~早朝にできやすいので、
血栓の予防には、納豆は摂取すると効果的です。

納豆キナーゼは夜
ナットウキナーゼは
納豆菌と違って熱に弱いので、
熱を加えてしまうと血栓溶解効果が薄れてしまいます。
50度を超えると活性が低下し、
70度で死滅してしまうそうなので
炊き立てのご飯にのせて食べるのも要注意です。

また、食品としての納豆には
血液凝固を促進する「ビタミンK2」も含まれているため、
ビタミンK2の除去されたナットウキナーゼ(サプリメント)の方が、
納豆に比べ優れた血栓溶解作用を持っているそうです。

ビタミンK2で骨粗鬆症を予防

納豆菌が作り出す有効成分ではビタミンK2も注目です。

ビタミンK2は
血液凝固を正常に維持するほか、
カルシウムを体内に取り込むために
無くてはならない栄養素です。

ビタミンK2の血中濃度が低い人ほど
骨折しやすいというデータがあり、
骨粗鬆症の治療薬としても使われています。

ビタミンK2はカルシウムの
骨への沈着を促す役割をして
骨粗鬆症を予防する一方で
血管へのカルシウム沈着は防ぎ、
石灰化(動脈硬化)・心臓病などを予防します。

骨粗鬆症によって骨のカルシウムが減り骨密度が低くなると、
逆に血管のカルシウムが増えて動脈硬化が進行すると言われています。

ビタミンK2は、その点、まさに救世主と言えますね。

現在「納豆がコロナに効く」はデマと言われていますが
オランダの医師たちがビタミンKとコロナの症状緩和に関連性を見出しています。

ビタミンKとコロナについて

オランダではまた、ナイメーヘン市の病院で医師たちがビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性を発見。新型コロナは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解するが、ビタミンKが凝固を調節し、肺疾患から保護するタンパク質の生産にかかわるという。調査では、3月12 日から4月11日の1か月間で入院した134人の患者と、年齢の対応する184人の新型コロナ以外の患者とを比較して行われた。(2020年6月11日 Newsweekの記事より抜粋)

【大豆由来の栄養素】

女性の味方・大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは
抗酸化物質の一種で、細胞にダメージを与える「活性酸素」の働きを
抑えてくれるはたらきがあります。

また、女性の健康と美しさを
サポートしてくれる、女性にはうれしい栄養素です。

女性ホルモンであるエストロゲンの
コラーゲンやヒアルロン酸の生成
サポートして肌を滑らかに美しく保ち
紫外線やストレスなどによって
体内に発生する活性酸素が、肌の細胞を
攻撃してコラーゲンを酸化・
分解するのを抗酸化作用により防ぎ、
肌のみずみずしさやハリを保ちます。つやつやな女性

イソフラボンの作用はとても穏やかで
エストロゲンの分泌が不足した状態になると
エストロゲンをサポートし始めます。
そのため、
女性ホルモンが急激に低下して起こる
更年期症状の予防や緩和にも効果がみられます。

実は、イソフラボンには抗エストロゲン作用もあります。
エストロゲンが過剰に分泌されると
乳がんやその他の婦人病のリスクが高まってしまいます。
エストロゲンが過剰にならないように
イソフラボンが調整してくれているのです。

イソフラボンはエストロゲン作用と抗エストロゲン作用で
ホルモンバランスを整えて、女性を健康で美しく保ってくれているのです。

ところで皆さんは、


日本人の2人に一人
大豆イソフラボンの健康効果を
受けづらい

ということをご存知でしょうか?

大豆イソフラボンが腸から吸収されるときに、
そのまま吸収される人と、
エクオールという成分に変換して吸収できる人がいます。

このエクオールという成分こそが
大豆イソフラボンのエストロゲン効果をサポートしてくれる成分で、
大豆イソフラボンの恩恵を効率よく受けられるかどうかは、
エクオールに変換できるかできないかによるのです。

エクオールを作れる人は
中高年の女性で50%、
平均年齢20歳の女性では20%ほどしかいないそうです。

エクオールは腸内細菌(エクオール産生菌)によって作られます。

エクオールが作れるかどうかは
尿中エクオール量を検査するソイチェックで調べることができるので、
興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

レシチン

レシチンは
水と油の両方になじむ乳化作用を持ち
細胞内の水溶性物質と脂溶性物質を溶け合わせ、
細胞に必要な酸素や栄養分を吸収したり、
不必要な物質を排出して細胞の若さと健康を維持しています。

血中のコレステロールを溶けやすくして動脈硬化を予防するとともに、
コレステロールを肝臓に運んで排出させ、
さらに脂肪の代謝を促す物質を作り出すため、
肥満の改善にも有効です。

また、レシチンは脳内で情報を伝える神経伝達物質の原料となり、
脳を活性化して記憶力・集中力・判断力を増大させ、作業効果や
学習効果の向上
が期待されています。

大豆はレシチンを最も多く含む食品のひとつですが、
納豆は大豆加工食品の中でも多くのレシチンを含んでいます。

納豆の効能まとめ

納豆には私たちの体に必要な栄養素がバランスよく含まれています。
先述した栄養素や酵素なども含めて
効能別にまとめてみました。

納豆の効果(整腸作用・血糖値・糖尿病予防)整腸作用 1.納豆菌…腸内環境を酸性化させ善玉菌を増やす、便秘改善 2.食物繊維…納豆菌を助けて善玉菌を増やす 血糖値・糖尿病予防 1.ポリグルタミン酸…食後の血糖値上昇を抑える 2.レシチン…血糖を下げるインスリンの分泌を刺激 その他、食物繊維・ビタミンB2・大豆サポニン 納豆は食後の血糖値をさげる薬の代用にもなるほどです。

納豆の効果(動脈硬化予防・血圧調整)1.ナットウキナーゼ…血栓を溶かす 2.レシチン…悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす 3.リノール酸…血管を強く、しなやかに 4.ポリアミン…動脈硬化の元となるLFA-1を抑える 5.サポニン…抗酸化作用で活性酸素を除去して血管の老化を防ぐ 6.カリウム…ナトリウムを排泄して血圧を調整 その他、ビタミンK2、カルシウムなど

納豆の効果(骨の形成・骨粗鬆症予防)1.マグネシウム…骨に沈着して取り込むカルシウム量を調節 2.ビタミンK2…カルシウムを骨に固着させる3.大豆イソフラボン…骨からカルシウムが溶け出すのを抑える 4.カルシウム…納豆に含まれる良質なたんぱく質と一緒に摂取で吸収率アップ

納豆の効果(免疫力の向上)1.納豆菌…整腸作用、消化酵素が多く栄養補給により体力を向上 2.レバン…花粉症や気管支喘息などのアレルギー抑制作用 3.セレン…環境汚染や農薬・食品添加物に含まれる有害な重金属を体外へ排出 4.ビタミンB6…免疫機能を健全に保つ 5.ビタミンB1…糖質をエネルギー化させて免疫を強化 6.ジピコリン酸…抗菌作用で、風邪・インフルエンザ・食中毒予防

納豆の効果(美容)1.大豆イソフラボン…女性ホルモン的作用と抗酸化作用で美肌効果、若返りホルモンDHEAを増やす 2.ビタミンB1…糖質の燃焼を助けダイエット効果 3.ビタミンB2…細胞の再生や成長促進で美肌、脂肪燃焼・ダイエット効果 4.ビタミンE…血流を促進するとともに活性酸素の消去で皮膚の老化を防ぐ、ハリとツヤ 5.カリウム…皮膚細胞を活性化させて再生 6.ポリグルタミン酸…肌に潤い、保湿、老廃物の排出等デトックス、ミネラルの吸収促進効果 7.レシチン …便秘や肥満の解消、シミ・しわ予防、余分なコレステロールを減らす 8.ポリアミン…免疫細胞を若返らせ、脂肪燃焼しやすい体質に 9.食物繊維・大豆サポニン…便秘解消

納豆の効果(がん予防)1.大豆イソフラボン…がん細胞の増殖を抑える、放射線治療による免疫低下を防ぐ、免疫力の増強 2.セレン…がん要因の1つとして考えられている過酸化脂質を分解する 3.ジピコリン酸…癌化した細胞や内部に異常を起こした細胞を取り除く 4.食物繊維・大豆サポニン…腸をきれいにして大腸がん予防 その他、納豆をすりつぶして取り出した成分から抽出されるアミノ酸の塊(抗菌ペプチド)に抗がん作用 ※大豆イソフラボンは乳がんの予防に効果的ですが、既に乳がんでホルモン療養中の方は要注意です。

納豆の効果(その他)1.アルツハイマー型認知症(整腸作用により日和見菌の「バクテロイデス」を増やす=脳腸相関) 2.血管性認知症の予防(脳血管障害の予防により) 3.活性酸素を消去(セレン・サポニンの抗酸化作用) 4.筋肉・血管の強化(良質なたんぱく質) 5.貧血改善(血液の元となる鉄分や葉酸が豊富) 6.ストレス緩和(レシチン) 7.精神の安定作用(マグネシウム)

などなど、栄養素が豊富な分、効能も数えきれないほど挙げられています。

納豆の注意点

治療中の方
納豆ボタン高尿酸血症の治療中の方
納豆にはプリン体が比較的多く含まれます。
納豆が尿酸値をあげるわけではありませんが、
プリン体を多く含む食品なので、痛風には要注意です。

納豆ボタン抗血栓薬「ワーファリン」を内服中の方
納豆に含まれるビタミンK2が薬効を阻害する作用があります。

食べ過ぎ
納豆は1パック(50g)で100キロカロリーと以外と高カロリーです。

また、一度にたくさんの量を食べても、
ビタミンBや大豆イソフラボンなどの栄養素は、
体内にためておくことができず、
1日ほどで失われてしまうため
その効果は長続きしません。
量を食べることで、栄養素の過剰摂取も考えられ、
場合によっては過剰摂取による深刻な
健康被害が生じる危険もあります。

プリン体…痛風に要注意。納豆6~7パックで1日分の摂取量です。
セレン…過剰摂取を繰り返すと嘔吐、肝機能不全、脱毛・爪の変形に。5パックくらいで中毒症状も。
レシチン…取りすぎは下痢や吐き気、腹痛に。
大豆イソフラボン…過剰摂取はホルモンバランスの乱れに。妊娠中や生理中はエストロゲンの分泌量が多くなっているため特に要注意。一日に40mg~50mg(1~2パック)が理想。

いくら何でも1日5パックも食べないよ、
という方が大多数とは思いますが、
中にはお菓子替わりに食べる方や
○○にいいからと、無理に食べてしまう方もいるそうです。

栄養素は、毎日適量を取ることが大切です。

納豆は1日1パック、
多くても2パックまでに抑えましょう。

また、サプリメントで栄養素を摂取する際には
食事で摂取する栄養素も考慮して
過剰摂取にならないようにご注意ください。

納豆 Q & A

納豆をかき混ぜるとどうなる?

食べる前によく混ぜてネバネバを多く出すようにすると、ネバネバの中のムチンでナットウキナーゼがコーティングされて、胃で溶かされずに腸まで届きやすくなります。また、かき混ぜることで空気が含まれて口当たりがよくなり、よりおいしく感じるそうです。かき混ぜることでネバネバの成分であるポリグルタミン酸がちぎれ、グルタミン酸が遊離しておいしくなることは先述したとおりですが、かき混ぜる前にタレやからしなどを入れてしまうとポリグルタミン酸が水分と吸着してしまい、粘りにくくなってしまうので、ナットウキナーゼをより多く摂取したい、ネバネバが好き、という方は、タレなどはかき混ぜた後に足しましょう。ただ、かき混ぜて鎖がちぎれてしまうとポリグルタミン酸が減ってしまうので、ポリグルタミン酸の効果は減ってしまうかもしれません。

ひきわり納豆の方がおいしい?

ひきわり納豆は大豆の皮を取り除き、細かく砕いてから発酵させるため納豆菌が付着する面積が多く、粒納豆よりうまみが多くなります。そして、皮が取り除かれているため食感がなめらかでねっとりしています。
また、粒納豆と製造過程がちがうので、ふくまれる栄養素の量も異なります。粒納豆よりもカリウム、リン、ビタミンB1、ビタミンE、ビタミンKが多く、特にビタミンKは粒納豆の1.5倍含まれています。食物繊維は若干少なめになりますが、消化がよいので高齢者や乳幼児の食事には適していますね。

納豆は胎児にもいい?

新生児にはビタミンKをつくる腸内細菌がいないためビタミンKが欠乏し、突然血をはいたり、血便を出したり、ひどい場合には頭蓋内出血をしたりすることがあり、これらの乳児ビタミンK欠乏性出血症を防止するためにビタミンKシロップが投与されています。納豆のビタミンK2は胎盤を通して胎児に移行することが明らかになっていますが、その量はわずかだそうです。胎児は骨を形成するために母体の状態に関係なく必要なだけカルシウムを吸収するので、胎児のためというよりは母体の骨粗鬆症予防のために、産前・産後に納豆を食べるといいとされています。赤ちゃんへのビタミンK供給という点では、離乳食としてひきわり納豆を活用することが推奨されています。

納豆の血栓溶解作用と血液凝固作用、矛盾してない?

ナットウキナーゼには血栓溶解作用が、
ビタミンK2には血液凝固作用があります。
いったい、どちらが作用するの?

結論から言うと、必要な方が作用するということのようです。

人間の体(血液)は常にバランスをとっていて、そのバランスをとる機能が何等かの原因でうまく働かなくなると血が固まりやすくなり、ドロドロになってしまいます。
人の血栓溶解機能は、止血やその予防のためにできた血栓を溶かす機能のため、血をサラサラに保つようなものではないそうです。血が滞らないように運動をして血栓予防することが大切と言われるわけです。
逆に薬を処方されているなど血がサラサラな方は、
ビタミンK2がその作用を邪魔してしまう(血を固めようとしてしまう)ので、
ビタミンK2を含む納豆などの食品の摂取は制限されています。
動物にとって血を失うことは死に直結することなので出血しないように血を止める(固める)機能は
強力かつ迅速に備わっているそうです。

ビタミンK(2)の栄養機能食品の成分の表記は「正常な血液凝固能を維持する栄養素」で、
ビタミンK(2)は直接血を固めるわけではなく、「補酵素」と呼ばれ、血を固める成分を作るのを助ける働きをするそうです。そのため過剰に摂取したからといって、血を固めまくるということではないそうです。
通常の食生活で取りすぎるということはなく、過剰摂取による有害事象の報告もないそうです。
ただ、サプリメントによる大量摂取はさすがに危険で重篤な状態になる恐れがあるそうなので
サプリメントを服用する際にはご注意ください。

ナットウキナーゼは本当に血栓を溶かすの?

ナットウキナーゼの血栓溶解作用は、試験管内では確認されたものの、
人が納豆を食べたからと言って血栓を溶かす作用があるかは疑問である、という説です。

ナットウキナーゼは胃酸に弱く、腸までたどり着いたとしても
分子量(粒子)が大きすぎて腸から血液には吸収されない。

では直接、血液にナットウキナーゼを点滴/注射したらどうなるか。
ナットウキナーゼはタンパク分解酵素ですが、血栓だけを選択的に溶解せず、
赤血球や白血球などの他のタンパク質も壊してしまう可能性がある、というのです。

納豆好きとしては、軽いショックをうけ、
なんとか肯定的な記事がないかと調べたところ・・・

  • ナットウキナーゼ含有カプセル(V.Kを除去した製品)を単回投与した健常若年成人12名の採血結果では、抗凝固・フィブリン溶解を有意に亢進する。(日本人を対象としたプラセボ対照二重盲検クロスオーバー・ナットウキナーゼ介入研究、2015年『Scientific Reports』に掲載)
  • サンフランシスコで行われたヒト試験では、口から摂ったナットウキナーゼが血液中に吸収され時間とともに漸滅していくデータが出ている、神戸薬科大学の太田光熙教授が行ったマウスの試験でも、ナットウキナーゼを摂取させたマウスの血液から実際にナットウキナーゼが検出された(日本ナットウキナーゼ協会HP)
  • ナットウキナーゼは経口下でも十分血液線溶系あるいは凝固系の酵素に影響を持つ(Web医事新報2019年「ナットウキナーゼによる動脈硬化症予防」)
  • 納豆をよく食べる食習慣を持つ人は、そうでない人に比べて、脳卒中(脳梗塞、脳出血の総称)で亡くなる割合がおよそ3割も低くなる(岐阜大学の研究、2017年アメリカの臨床栄養学の学術誌『American Journal of Clinical Nutrition』に掲載)
  • 納豆を、毎日およそ50グラム(1パック程度)食べるグループは、ほとんど食べないグループと比べ、男女ともに脳卒中や心筋梗塞など循環器の病気による死亡リスクが、およそ20%低い(国立がん研究センター、国内の成人男女約9万人に対して調査、2020年『BMJ』に論文発表)

などなど、研究結果のデータがたくさんありました。

最後2つの調査については「納豆」を食べた人で、
ナットウキナーゼの研究・調査結果ではないのですが、
個人的には、もはや、ナットウキナーゼでなくても全然OK。
納豆を食べて効果があった、という事実だけで満足です。(^^♪

私は納豆好きなので
たとえ効能がないと言われても食べますが。(^^)

納豆は食べ過ぎないように
マメに食べましょうね。

納豆