経口補水液の作り方
管理栄養士に教えてもらったおすすめレシピ
こんにちは~。得得サイトです。
ここ数年の暑さは異常ですね。
2024年6月、サウジアラビアのメッカで気温51度を超え、
巡礼者1300人超が熱中症などで死亡したというニュースは衝撃でした。
世界の平均気温は13か月連続でその月としての記録を更新したそうです。
日本の平均気温は16か月連続で平年を上回り、5月にはもう、30℃を超える真夏日が各地で観測されました。
昨年の夏は記録的な猛暑でしたが、
今年も昨年に匹敵、もしくはそれ以上に厳しい猛暑となる、との予想です。
熱中症による救急搬送者数は、今年も6月中旬以降、全国で急増しています。
これから夏本番。
皆さん水分補給は出来ていますか?
熱中症にならないように、
熱中症と正しい水分補給の仕方について見ておきましょう!
熱中症
熱中症は強い日差しの下でなるとは限らず、気温が低くても湿度が高い時は要注意です!
家の中でじっとしていても室温や湿度が高いと危険です。
総務省消防庁の発表によると、毎年、熱中症の約4割が住居で、1割弱が公衆の室内で発症しています。
熱中症とは
脱水症と体温の上昇でおこる障害です。
体温が上昇し汗をかくと脱水症になり、
それ以上水分を失わないように発汗がストップされた結果体温が下がらず、
熱が体内にこもり熱中症になります。
なので熱中症の予防は
「脱水症にならないこと」ですが、
軽い脱水症だと気づかないで、知らないうちに症状が進んでしまうケースも少なくないそうです。
消化不良、眠い、便秘、
集中力・記憶力の低下、
手足がつる・しびれる
などの兆候があったら水不足かもしれません!
水の大切さ
水の役割
私たちの体は体重の約60%(高齢者50%)が水分でできています。
水分は体内でさまざまな役割をしています。
- 体温調整(汗)
- 酸素や栄養素を全身に運ぶ(血液)
- 老廃物を体外へ出す(汗や尿)
- 細菌や異物から体を守る(リンパ液)
- 筋肉を動かす など。
人は食べなくても水があれば一ヵ月くらいは生きられるそうですが、
水を一滴も飲めないと2〜3日で生命維持に支障をきたし、4~5日で命を落とす
と言われていますΣ(゚д゚lll)
水分補給
健康・生命維持に不可欠な水分は、
呼吸・体温調整・排泄などで絶えず体外に放出されているので、
失った分と同じだけ補給する必要があります。
「喉が渇いていない」とか、「汗かいてないし。」の問題ではありません。
意識的に、こまめに水分補給は必要です!
※喉が渇いた時では遅く、既に水不足の状態だそうです。
食事などから体内に摂取される水分は約1Lなので、
不足分の1〜1.5Lを飲み物から補うようにします。
ちなみに、緑茶やコーヒーなどカフェインが含まれる飲み物は
利尿作用があるため水分補給には適さないとも言われますが
日常的にカフェインを摂取している場合は、利尿作用への影響は少ないそうで、
水分補給に有効ということが
近年、米国医学研究所で結論づけられたそうです♪
運動時・夏の水分補給
運動した時や気温が暑いと汗をかくので、
より多くの水分が失われ脱水症の危険があります。
脱水症とは、体液(体内の水分)が不足している状態のことですが、
体液は塩(電解質)と水分でできています。
私たちの体は、体液の濃度を一定に保つようになっていて
余分な水分は尿として排泄し、調整します。
汗を舐めるとしょっぱいですが、汗は水分と一緒に
電解質まで体外へ放出してしまいます。
そこへ真水を飲んでも、
体液が薄まらないように尿として排出されてしまい、
なかなか水分補給されません。
それどころか、喉が渇いているからと、真水をゴクゴク飲むと
電解質のバランスが崩れて、
めまい・頭痛・疲労感、
ひどくなると嘔吐・けいれん・呼吸困難・意識障害など、
命にかかわる症状を引き起こす危険があります。
いわゆる「水中毒」です。
汗をかいたら汗の量に応じて、
水だけではなく塩分も一緒にとることが大切です。
経口補水液
経口補水液は、コレラ患者の脱水症治療のために開発され誕生しました。
身体に不足した水分やナトリウムなどの電解質を迅速に補給できることから飲む点滴と言われ、
今の日本の医療機関でも、脱水状態の改善や予防のために手術前後に使用されることがあるそうです。
ところで、経口補水液には大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか?
・「病者用食品(特別用途食品)」⇒脱水状態を改善する根拠があると消費者庁が認めたもの
・上記以外の、電解質組成を調整した飲料水
もともとはコレラ患者用の病者用食品だった経口補水液ですが、
所さんのCMで一般の私たちにもすっかりお馴染みとなり、
今ではいろんな種類のものが売られています。
表示通りの効果がなかったり、
多飲しすぎて塩分や糖分の過剰摂取により健康被害を招いたりする恐れがあることから、
消費者庁が注意喚起して、成分とラベル表示が厳しくチェックされることになりました。
今後は、病者用食品として消費者庁が許可したものだけが「経口補水液」と表示できることになりました。
現在、消費者庁の許可なく「経口補水液」と表示しているものは、
2025年5月末までに表示を変更する(または成分許可を取る)よう制度が改正されました。
売り場も一緒に陳列しないよう区別されるようです。
ただ、許可の ある・なし にかかわらず、ラベル表示はよく読んで、
塩分や糖分を摂りすぎないようにご注意ください。
特に高血圧・糖尿病・塩分の摂取を制限されている方などは、
医師や薬剤師などに相談するなどご注意くださいね。
さて、そんな規制がされるほど脱水状態に効果的な経口補水液ですが
脱水症・熱中症の予防用のものなら簡単に家で作れます。
買い置きがない!近くに売ってない!
など、いざ、というときのためにも、
作り方を知っていると便利です。
節約にもなりますし。
いくつかレシピをご紹介しますので
ぜひ、活用してみてください。
やっと本題w
経口補水液の作り方
基本的な経口補水液のレシピ
まずは一般的な基本のレシピ。
基本のレシピ
材料 | 水1リットル | 水500ml |
砂糖 | 大さじ4杯半 (40グラム) |
大さじ2と1/4 (20グラム) |
塩 | 小さじ1/2 (3グラム) |
小さじ1/4 (1.5グラム) |
※ 塩は天然塩の方がミネラル分が入っているためおすすめです。
分量は重要なので、計量はなるべく正確に行って下さいね。
水分と電解質を効率よく吸収するために
糖分と塩分のバランスがとても重要なので。
ダイエット中など糖分が気になる方で
砂糖を減らす場合は半分まで(水1Lなら20グラムまで)にして下さい。
塩の量はあまり変えないように。
糖分は水分を腸で吸収する際のエネルギー源で、水分補給の
サポート的役割をしています。
また、糖分は運動時のエネルギー源で、不足すると
筋肉に尿酸がたまり、運動パフォーマンスが低下して疲労度が増します。
2.5~8%の糖分を含んでいる水分は腸での吸収が速く、
1時間以上運動する時は4~8%の糖分を含んだものがいいそうです。
(参考:公益財団法人 日本スポーツ協会)
果汁入り美味しいレシピ
果汁を入れることで美味しく飲みやすくなり、
クエン酸やカリウムも摂取できます。
飲んで美味しい果汁入りのレシピ
基本に果汁を足すだけ
材料 | 水1リットル | 水500ml |
砂糖 | 大さじ4杯半 (40グラム) |
大さじ2と1/4 (20グラム) |
塩 | 小さじ1/2 (3グラム) |
小さじ1/4 (1.5グラム) |
レモン | レモン果汁 50ml | レモン果汁 25ml |
個人的にはグレープフルーツもおすすめです♪
グレープフルーツの場合は水1Lに100ml。
果汁を加えすぎると、
糖濃度が増加して浸透圧が高くなり、
水分の吸収が悪くなるので入れすぎ注意です。
香り付けや軽い味付け程度にとどめることがポイントです。
果汁の分、砂糖(カロリー)を控えてもいいですね。
よく100%ジュースで作る経口補水液のレシピを見かけますが
ジュース自体は浸透圧が半端なく高いので、水分補給には適しません。
ジュース主体のレシピは、
水分と電解質を早く吸収させる目的の経口補水液としてはギモンです…
ダイエット向き 低カロリーのレシピ
ブドウ糖で作る低カロリー経口補水液のレシピです。
ダイエット向き 低カロリーレシピ
材料 | 水1リットル | 水500ml |
ブドウ糖 | 大さじ2 (18グラム) |
大さじ1 (9グラム) |
塩 | 小さじ1/2 (3グラム) |
小さじ1/4 (1.5グラム) |
いっそのこと砂糖をカットしてしまえば、という訳にはいかないんです。
糖分がないと水分の吸収率が落ちてしまうので。
そこで砂糖ではなく、ブドウ糖(純度100%)を使います。
砂糖はブドウ糖と果糖が結合したものですが、
ブドウ糖単体を使うことで水分の吸収率を
キープしたまま糖分量を減らしカロリーを抑えることができるのです♪
砂糖40g=150kcal、ブドウ糖18g=60kcalなので、60%もカロリーカットできます♪♪
はちみつを使ったレシピ
私は健康・ダイエットのために砂糖ではなく蜂蜜で、レモンを入れて作っています。
はちみつには糖質だけでなく、
代謝アップのビタミンB群やミネラル、
アミノ酸などがたくさん含まれています。
そしてカロリーは砂糖より低いのに、
甘さは砂糖の1.3倍。
レモン果汁で増えたカロリーも相殺できるし、美味しいという優れものです!
はちみつの目安は大さじ山盛り1杯です。
砂糖の甘みをはちみつで代用すると、
砂糖大さじ3杯に対し、はちみつは大さじ1杯で済みます。
なので、結果的にカロリーは砂糖の6割ほどでおさえられます。
(純粋はちみつの特徴と健康効果・効能については、「いちご酢とはちみつで健康ダイエット」をどうぞ。)
はちみつは砂糖より早く吸収されるので
体に負担がかからず、さらに、
殺菌・抗菌力があるので、
菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
自然のモノって、すごいですね。
ぜひ、はちみつで作ってみてください。
手作り経口補水液の注意点
- 作った日に飲み切る
手作りの経口補水液は無菌状態ではないので、なるべく早く、その日のうちに飲むようにしましょう。ペットボトルに作った場合は口をつけて飲むと細菌の発生につながりますので要注意です。 - 蜂蜜入り経口補水液は赤ちゃんにはNG
経口補水液は赤ちゃんでも飲むことができますが、蜂蜜は乳児ボツリヌス症の原因となりますので、蜂蜜入りのものはNGです。 - 果汁は入れすぎない
入れすぎると浸透圧が高くなり、水分補給されづらくなります。 - 糖尿病、心臓、腎臓、血圧などの病気で糖分や塩分の摂取を制限している場合は、医師や薬剤師に相談してから利用する。
これは手作りに限らないですが、大切なことなので念のため。 - 手作り経口補水液は予防・応急処置
発汗による水分・塩分補給には手作りでも効果的ですが、熱中症になってしまった時やノロウイルス感染などでおう吐や下痢を繰り返し、一度に大量のミネラルを喪失した場合は、適切な量のミネラルを配合している市販の経口補水液を服用し、医師の診断に従ってください。予防以外は、すぐ病院へ行けない、経口補水液がすぐ手元にないなどの場合の、あくまで応急処置として考えてください。
手作り経口補水液の欠点は、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを十分に取れないことです。
果汁を使うことで多少はカリウムを入れることはできますが
カリウムが適量(80mg/100mL)になるまで果汁を使うと、
今度は糖分が多くなりすぎて
浸透圧が人の体液よりも高くなり、
水分の吸収が悪くなってしまうのです。
健康(もしくは喉が渇くなどの軽度の脱水症)の人なら、普段の食事でミネラルを補うことができますが、食欲がない、下痢・嘔吐でいっきにミネラルを失った場合などには適切な量のミネラルが配合された市販の経口補水液が適切です。
まとめ
注意点と重複しますが、もう一度。
・塩はミネラル成分を含む天然塩が○
・果汁は入れすぎない
・砂糖の代わりにはちみつも○
・赤ちゃんにはちみつはNG
・作った日に飲み切る
・凍らせない・薄めない*
・持病がある方は飲み方注意
・熱中症・下痢・嘔吐の場合は病院へ
*一部凍った状態だと、成分が沈殿するなど均一にならないので、
バランスが崩れてしまいます。
持ち歩き用などに凍らせる場合は
完全に溶けた状態にして、良く振って
成分を均一にして飲みましょう。
また、薄めると真水を飲んだ時のように血液中の濃度をさげてしまい、
さらに脱水状態になる危険があります。
薄めた分量を飲めばいいという訳ではないのでご注意ください。
熱中症・脱水症予防には水分補給と同時に食事をきちんととることも大切です。
食事からも水分補給されますし、
ミネラルの摂取も必須です。
そのほか、暑さに慣れてないと汗の塩分濃度は濃くなるので、今のうちに適度な運動で暑さになれておくのも熱中症の予防になります。
体温を1度あげるくらいの運動を30分、5〜10日続けると暑さになれてくる(暑熱順化)そうです。
これから暑くなりますが、食事と水分補給に気を配り(できれば運動も)、
暑さに負けず、健康第一で過ごしましょう!
おまけ
500ml分の経口補水液の塩と砂糖を子袋で携帯してると
いざという時に役立つかも。
歓送迎会などの飲み会、山登りなどにも。
水ならどこでも手に入りますもんね。