「七面山・敬慎院に泊まる」見どころと縁起・信仰の変遷

七面山の伝説

山梨県南巨摩郡早川町にある七面山(標高1,982m)の山頂近くには、

法華経を守護する「七面大明神」が祀られていて、

日蓮宗「敬慎院」と「奥之院」があり

日蓮宗の方だけでなく、

法華経や純粋に七面山を信仰する方、

登山愛好者、富士山やご来光を楽しみに訪れる一般の方など

年間を通して、たくさんの方々が参拝(登詣)に訪れます。

七面山・和光門

山頂の入口「和光門」をくぐり、

長い坂道を登ると正面に

敬慎院入口の「吉祥門」があり、

門をくぐると敬慎院の伽藍が広がります。七面山 敬慎院伽藍

吉祥門の手前にあった鐘楼に七面山の縁起が書いてありました。

「法華行者を守護してくれると誓った七面大明神をお祀りするように」
という日蓮上人の遺命をうけ、
永仁5年(1297年)9月19日、
日郎上人と波木井公が七面山に登り、
一之池の畔に祠ったのがはじまりだそうです。
(1675年 大中院日孝上人 建立)

 

七面山・展望台への道

吉祥門をくぐらず
鐘楼の前を左へ、

さらに坂道を登ると
ご来光遙拝所、
富士山の見える展望台です。

七面山の富士山展望台

実際に展望台に立ってみると
富士山が間近に感じ、感激です!

初めて七面山に登った時は吉祥門から
敬慎院を通って展望台へ出たので、
随身門ごしに富士山がド~ンと見え
大興奮でした(*^^*)

七面山随身門から見た富士山
随身門から見た富士山

お山の上で見る富士山の迫力にすっかり魅せられ、ご来光見たさに
七面山のリピーターになりました。(*^_^*)

お彼岸には山頂からお日様があがり、
ダイヤモンド富士が見られるそうです。

富士山・随身門・敬慎院は一直線上に位置し、はるか西の延長線は
出雲大社につながっていて
「ご来光の道」と呼ばれています。

富士山「ご来光が見たい!」世界遺産xパワースポット~七面山からの眺め

七面山・随身門
随身門(49丁目)

随身門は大正10年に改築完成したそうです。

門の向こうに本堂の屋根が少し見えてますね(*^^*)

随身門なので、右大臣・左大臣の御神像がお座りになっていました。

屋根の扁額には「摩尼珠嶺」。
(身延八十世寂中院日調上人の筆)

七面山 随身門の扁額「摩尼珠嶺」

「摩尼珠」とは、竜王の脳中から出て
望みをすべて叶える珠玉だそうです。

まさにドラゴンボール✨

 

摩尼珠は如意宝珠(の梵語)で
天女が法華経の行者の志願満足を叶えるための誓約に基づくそうです。
(「身延の枝折」大正5年)

 

ちなみに「摩尼」という言葉には
悪や禍を去らせる徳の意があり、

「摩尼珠嶺」は
それを叶えてくれる場所であり、
七面大明神がお住まいになる霊嶺を意味するそうです。

また、「摩尼」には宝という意味もあり、・・・続きを読む
「摩尼宝珠」は金・銀・水銀などの宝のことをいうそうで、
経文には七面山を「七宝山」「瑠璃金山」との表記があり、
この山に摩尼宝珠があった(鉱山だった)説もあります。山の名前に「摩尼」とつく山は鉱山だとか。有名なところだと、あの高野山にも
「摩尼山」ってありますね…。でも、七面山には発掘跡などはないようですし、
もしかしたら、「徳」を宝としたのかもしれないですよね(*^^*)
敬慎院・本殿
敬慎院・本社

七面大明神がお祀りされるお社は、
江戸時代に生まれた、「七面造り」と
呼ばれる神社建築様式だそうです。

そして、しめ縄。…神仏習合の名残?

思わず柏手を打ってしまいそうになりますが、
ここは日蓮宗の御本堂、
静かに手を合わせます。

 

お堂の裏には一之池があります。

七面山一之池

池の底にたまった珪藻土は腫れ物や熱冷ましに効能があったらしく、
そのため「無熱池」とも呼ばれ、
30~40年ほど前まではこの「お土」は
信徒さんに分けられていたそうです。
(日蓮宗妙覚寺「七面山信仰の変遷」より)

七面山 一の池

一之池には龍神様が棲むと言われ、
風もない穏やかな日に突然湖面に波がたったり、波紋が広がるなど、
不思議な現象が起こると有名で、
それは龍神様が動いているからとか…。

七面山 一の池

波が! Σ(゚Д゚)

 

吉祥門手前にあった鐘銘のなかに、
「神之幽宮水接阿耨、徳亞善竜」と
一之池の神秘さと龍神様の徳が刻まれています。

阿耨達池(あのくだっち)=無熱脳池は・・・続きを読む
ヒマラヤ山脈の北にあるとされる伝説上の池で、山頂にあり、
池の岸辺は金・銀などの四宝によりなるといいます。八功徳水(はっくどくすい)と呼ばれる聖なる水で満たされ、
その中には龍王(阿那婆達多竜王)が棲み、四方に大河を流して
人間の住む大陸を潤すそうです。

「身延鑑(みのぶかがみ)」(1685年身延山三一世・日脱上人の執筆)は
一之池は、池の形は曲蛇の形をしており、池の底から水がわきでて、
ここから流れ落ちていく滝の流れには金砂が混じる、とのべ、
「天竺の無熱池の水をこの池にうつした七不思議の池である。」と記しています。

✨金砂!✨ 

ちなみに七面山のある早川町には金山跡がたくさんあり、
武田信玄が甲州金をせっせと鋳造していた時代~江戸初期(幕府直轄)に
繁栄したそうです。
(※武田氏の支配下にはなかった模様)

 

このお池にまつわる言い伝えはいくつかあります。

雨畑村の池大神伝説 ・・・続きを読む
山麓の雨畑村の猟師が山で見つけた古い木片(金の玉の説もある)を家に持ち帰ったところ、家中の人が病気になってしまった。祟りと恐れていたら夢のお告げで「九月十九日を期してあの山の頂にある池の傍に祭るように。」と言われ、村人と共にそのお告げに従って池の畔に小祠を建ててお祀りし、毎年九月十九日に祭礼を催して池大神と称して崇拝するようになった。

この伝説は日蓮宗の影響が入る前のことで、山岳信仰に基づくものだそうです。
古来、川の源である山は水源・食料など恵みの山であると同時に
自然災害なども「天津国の天降る処」と恐れられていました。

七面山にある7つ目の池を見ると目がつぶれる、
池から霊竜が天に昇っていったなどの言い伝えもあったそうで、
霊山の頂にあって枯れることのなかった一之池が、
集落の人の信仰の対象となって、池大神が水の神様となったと見られています。

 

七面山 一之池
2018年10月

 

安芸国弁財天と池大神伝説・・・続きを読む
昔、京の都の御公家さんが子供を授かりたいと安芸の厳島弁財天に祈願し、美しい娘さんを授かったが、この美しい姫君はある日突然、不治の病に伏してしまう。すると御氏神の厳島大明神のお告げがあり、「甲斐国七面山の八功徳を具えた七宝の池で水垢離をすれば、すぐに平癒するであろう。」とのことで、お告げのとおり一之池で身を清めるとたちまち病が治り、「我は、この池に住むいわれあり。」と言って龍になって池に消えてしまった。姫を慕っていた貴族の池の宮は姫を追って七面山に探しにくるが、やがて命絶えてしまい、雨畑村の人々が小さな社を建てて、池の守護神として池の宮を祀ったという。(宮川了篤 林是晋監修『法華経信仰の霊場 七面山』)

この説は、七面大明神の本地が厳島弁財天だということだそうです。

お告げのあった厳島大明神は厳島神社の神様で、もとは弁財天とされています。
弁財天は水の女神様ですね。

「身延鑑」には、七面大明神のもとのお姿は「安芸の国 厳島弁財天」と記されています。
また、鬼子母神の御子で、吉祥天女でもあるとも書かれています。

 

七面山 池大神宮
七面山 池大神宮

池大神宮のご本尊はカッと目を見開いた老爺でした。

雨畑村の池大神伝説には登場していないようです。

その姿は修験道の山伏のようで、
祀られているのは役行者ともいわれています。

 

七面山山麓にある赤沢地域には、
七面山を行場とした修験者たちが拠点としたお寺(妙福寺)があり、
七面山への道中にあるお寺などには、
天狗に本地する神(「妙法大善神」)が祀られています。

七面山の登詣案内によると、

「池大神宮は七面山が開創される以前からこの山にまつられていたといわれますが、お池を守る神様として信仰されています。」とのこと。

 

つまり、七面山には

古来から民間の自然崇拝・山岳信仰・龍神信仰があって

やがて修験道がはいり、その後日蓮宗の聖地となった、

その過程でいろいろな伝説が語り継がれた、ということのようです。

 

七面山本社敬慎院
奥(左)から、寺務所兼宿坊、本堂、一之池入口、池大神宮

さて、寒くなってきたので宿坊へ。

敬慎院 宿坊

初めてお世話になったのは4月、
日陰にまだ雪が少し残っていた季節。

入浴は15時からだと思っていたら、
「お風呂、できてますからどうぞ。」
ってまだ14時なのに、嬉しい(^^♪

シャンプーや石鹸はご法度ですが、
汗を流せるだけでありがたい✨

山の頂上付近で温かいお湯につかれるなんて、

「♪何でもないようなことが~♪

幸せだったと思う~♪」

感謝です。

(早くも宿坊効果か(*^。^*))

お風呂でさぱりして、夕食まで爆睡。

トシには勝てません・・・

 

17:00 夕食

敬慎院 夕食
敬慎院 夕食

修行のお宿なので、精進料理です。

お味噌汁、美味しかった~💕

木桶に入ってくるのも面白い。

信徒さんが団体で参篭にみえるので
持ちやすく、量運べるからだそうです。

そしてお酒!

お神酒(の表現でいいのかな?)です

ありがたく頂きましたw

 

18:15 御開帳
本堂に入って奥の幣殿?読経の間?で
信徒さんに混ざって七面大明神さまを拝みます。

18:30 夕勤
拝殿?にさがり、夕勤です。

日蓮宗のお経は速読(はやよみ)というそうで、とにかく速く、
お坊さんや信徒さんの読経の声がお堂に響き渡り、
大太鼓の音も加わって
ただただ、圧倒され、
足のしびれと格闘しながらも
感動で心がいっぱいになりました。✨

御本堂は撮影禁止なので、
画像でお伝えできないのが残念です!
(といっても、自分が撮った写真は食事とお布団くらいしかないのですが・・・。)

1時間ほどのお勤めのあと、
お坊さんの説法をいただき、
御宝殿を拝見しました。

仏舎利(お釈迦さまの骨)、
お萬の方の手鏡など
ひとつひとつ説明を聞きながら、
貴重な物をたくさん拝見しました。
印象に残っているのは「竜の爪」。
化石かな?

21:00 消灯

敬慎院の名物、ロール布団。

男女関係なく、適当なところに潜って寝ます。

バタン、きゅ~

敬慎院のロール布団


5:00 起床
ご来光を見に例の展望台へ

七面山 ご来光遥拝所

曇りでご来光は見えませんでした。

残念。( TДT)

 

5:30 朝勤
1時間ほどのお勤め。

自分は特別信仰している宗派はないのですが、
夕勤同様、最大限の敬意をこめて参加させていただきました。
特に「南無妙法蓮華経」と唱える際は
唯一知っているフレーズでもあり、
「なむっ みょ~ ほ~ れん げ~ きょうぉぉ」と
真剣に唱えさせていただきました。

お勤めのあと、朝食をいただき、

出発です。

敬慎院 朝食

 

玄関で靴をはいていると、
敬慎院のみなさんが集まってきて、
手を合わせてお見送りしてくださいました。

お世話になるまでは、
一般登山者のため申し訳ないような
なんとなく気後れしていましたが、
とても居心地のよい空間でした。

次回はご来光、見たいなぁ。。。

七面山(敬慎院)御朱印
七面山(敬慎院)御朱印
七面山(敬慎院)御朱印
七面山(敬慎院)御朱印

しっかりリピーターになってる(*^。^*)

 

七面山「奥之院」編につづく。