七面山山頂近くには参篭(宿泊参拝)できる宿坊が2カ所、
「敬慎院」と「奥之院」があります。
今回は奥之院に泊まり、その周辺を歩きます!
(敬慎院までは下記ブログをご参照ください。)
敬慎院を後にして
奥之院へ向かいます。
とても緩やかな傾斜の道を、
10分ほど歩くとニノ池です。
鳥居をくぐると、
すぐ左前方に見えます。
七面山のお坊さんに伺ったところ、
ニノ池には一ノ池とは違う龍神様と弁財天様がお祀りされているとのこと。
そして、お地蔵様(と祠も?)はずっと以前からお祀りされているそうです。
八大龍王の石碑がありました。
八大龍王は、仏教と共に法華経が日本に伝来して以来信仰されてきたそうですが、宗派を問わず日本各地で祀られていますね。
仏教では、お釈迦様の眷属(従者)で仏法を守護するとされ、「法華経」には、お釈迦様の説法を聴聞する八尊の龍王(八大龍王)の名が記されているそうです。
- 恥ずかしながら、八大龍王は・・・続きを読む
- 龍神様の中でも特に偉い八柱(柱でいいのかな?)の王様かな~
と思っていましたが、「龍王」とはインドで古くから信仰されていたナーガ(蛇神)の王のことで、
日本の龍神様とは少し違うことが分かりました。
「ナーガ」はコブラを神格化した蛇神で、その姿はヘビなのですが、
中国に伝わる際に、特別なヘビなので「龍」と漢訳され、
中国に元来からあった龍信仰と習合したそうです。日本では、中国から伝わった龍が古来のへび信仰に、混淆.・習合され、
水の神様として信仰されるようになりました。その後仏教が伝来し、
盛んになるにつれて、
蛇神が龍と習合し変化した現在の「龍神」が目立つようになったそうです。そして地域土着の神様や風習と結びついたり、伝説・歴史などによって
独自の進化をとげました。ナーガは現在日本で信仰されている龍神様や八大龍王の遠い親戚
といったところでしょうか。話がちょっとズレてしまいました・・・
七面山に戻りますね(*^^*)
日蓮聖人の入山以前、
この地方は修験道が盛んで
役小角の流れをくむ行者が、七面山に
厳島弁財天を祀るようになったのではないか、と言われています。
(「身延町誌 日蓮聖人入山以前の身延」)
ちなみに、『身延鑑』には、
七面大明神のもとのお姿は
「安芸の国 厳島弁財天」と記されています。
「七面山 敬慎院に泊まる」のブログでも少し触れたのですが、
七面大明神(七面天女)の本地は諸説あります。
・七面山の七つの池に住む龍(神)
・弁才天(安芸の宮島の厳島弁財天)
・市杵嶋姫命(いちきしまひめ)
・八大龍王の一柱の徳叉伽(タクシャカ)龍王の娘=吉祥天
・鬼子母神の娘=吉祥天
・瀬織津姫(せおりつひめ)
・提婆品の龍女 など。
神仏習合による七面大明神の歩みを感じます。
ところが、
先月(2019年10月)訪れたところ、
大変なことになっていましたΣ(゚Д゚)
台風の被害で木が折れてる!
そして、ニノ池が枯れている!!
石碑には「南無七面大明神」と
「大自然妙法神力」の文字。
まさに自然の脅威と畏敬の念を感じました。
池の水については、
どうやら、ニノ池は雨量などにより
水が無くなることがあるそうで、
また湧いてくるとのことでした。
早く元通りになってくれることを
祈るばかりです。
さて、二ノ池を後にし、
向かいの道を下ると御神木ですが、
ここは一旦、奥之院へ向かいます。
この辺りからも富士山が見えました。
ニノ池をでて7~8分ほどで
奥の院の門が見えてきます。
初めて見たときは、
遠くから見える大きな岩に
「なんだ!?」とびっくりしました。
大切に祀られているこの石は
奥の院の縁起となるもので、
「影嚮石(ようごうせき)」と呼ばれています。
- 奥の院のホームページによると・・・続きを読む
- 日蓮上人の説法を聴聞していた一人のご婦人が龍の姿となって、
「私は七面山に住む七面大明神です。 (中略)
法華経を修行し南無妙法蓮華経の
お題目を唱える者を守護し、
その苦しみを除き心の安らぎと満足を与えます」と言って
七面山の方に空高く姿を消していきました。日蓮上人は七面大明神をお祀りできないまま入滅してしまいましたが、
お弟子さんの日郎上人と波木井公がご意向を果たすべく
七面山に登ります。途中、この大きな石の前で休んでいると
石の上に七面大明神が姿を現して
日郎上人一行を迎えたそうです。日郎上人はこの大きな石を「影向石」と名付け、その前に祠を結んで
七面大明神をお祀りして「影向宮(ようごうのみや)」と名付けました。これが七面山奥の院の開創で、
(永仁5年(1297年)9月19日)
その後何回か改築をかさねて
現在の奥の院になったそうです。
影向石のまわりを7周半、
唱題しながら廻ると願いが叶えられる、と言われています。
唱題とは「(日蓮宗の)お題目を唱える」ことで、つまり
「南無妙法蓮華経」と唱えること。
ご利益があると聞けば、
やらないわけにはいきません。
早速、唱題しながらお参りしました。
日蓮宗ではないけど(無宗教)、
ご利益あるかな・・・?
本堂の中でもお参りさせていただきました。
神聖な場所ですので、
是非、お参りに来てご覧ください。
まだ14:00過ぎだったけど
天気も悪いしゆっくりすることにして
お部屋へ上がらせていただきました。
と、じきにお風呂のご案内が(>◡<)。
早くから申し訳ないと思いつつ
あたたかいお風呂につかれて
幸せ~
感謝、感謝です。
お部屋からお風呂に行く途中、
お祀りされている石がありました。
17:30 夕食!
待ってました~。
おふくろの味、
美味しかったです。
18:30 御開帳
続いて夕方のお勤めに参加
1時間ほどでした。
21:00 消灯 ばたんキュ~
昨日とは違って、良い天気。
富士山を見ながら御来光を期待して
待っていたけど、雲が厚く、、。
日の出は拝めませんでした…( ノД`)
でも、神々しい日の光に感動です。
まず、外でご来光を浴びながら
お坊さんの朗読する宮沢賢治の
「雨ニモ負ケズ・・・」を拝聴し、
その後、みんなで「南無妙法蓮華経」と唱題します。
その後ご本堂に入り1時間ほどの
お勤めに参加します。
お勤めが終わったら太陽がもうこんなに高くなっていました。
いつも具沢山のお味噌汁。(≧▽≦)
さっぱり山芋の千切りが美味。
お手製の昆布の佃煮も。
昨晩の酢の物とか、
以前お世話になった時の
大豆の煮ものとか、
お手製の小鉢に、いつも
ほっこりします(≧▽≦)
御馳走様でした。
おなか、いっぱい。
下山できるかな。
もう一度、影向石を一周しようと
裏へ向かうと、鹿がいました。
七面山山頂付近ではよく鹿を見かけますが、人に慣れていて、
特に逃げることもなく、逆にすり寄ってくることもなさそうです。
エサは上げてないようなので。
でも、
やっぱり中には甘えん坊の鹿もいて、
広場でクンクン鳴いていました。
何かあげたい気になってしまうけど、
自然の摂理を守らなきゃ。
ごめんね、鹿ちゃん。
影向石の脇の道を下っていくと、御神木です。
今回はお参りしなかったのですが、
前回の様子をご紹介したいと思います。
獣道をたどりながら10分くらい?
前方に見えてきました!
※2019年11月、
御神木への道が整備され、
ガイドロープが張られたそうです!
これで道に迷うこともなく安心です ヽ(^o^)丿
それと
「獣道」ではなく「参道」でした。
大変失礼しました。
帰りは登り道、二ノ池前に続く道を
ひたすら登ること15分くらい?
二ノ池と敬慎院をもう一度お参りして
下山します。
七面山40丁目 あたり
無縁堂だそうです。
七面山37丁目
「富士よりいでる妙光」?
下と灯篭の丁目ばかり見ていたので
不意打ちの富士山に感激。
運動不足がたたって
下りが辛い(>_<)
下の方から沢のせせらぎが聞こえ
もう少し。
無事、下山できました!(*´▽`*)
七面山の登山道は、
七面大明神様を参詣する参道ですが、
参道は、お産のときの「産道」を
現していると言われます。
産道を通って母なる仏様のもとへ参り、
再び産道を通って外の世界へ出る。
つまり、新しい自分に生まれ変わる、
ということだそうです。
体力的には疲れたけど
なんとなく清々しい気分。
少しは成長できたかな?